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BPSD薬物療法ハンドブック
ISBN
978-4-909888-08-2
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薬物療法の適否の判断、安全な薬剤選択から、薬物療法終了へのアプローチまで!
書籍情報
著者:水上勝義(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 教授)
定価3,960円(本体3,600円+税)
A5判
112頁
ISBN978-4-909888-08-2
発行日:2020年4月30日(第1版)
本書の特長
行動・心理症状(BPSD)は認知症本人の苦痛や家族負担感が大きく、認知症の人の在宅生活を困難にさせるため的確な対応が求められます。BPSDの発症過程には心理環境面が大きく影響していることから、これらに対するアプローチが最も重要です。本書では、薬物療法の前に、BPSDの特徴や非薬物的対応についてふれています。
非薬物的対応の効果が得られない場合や緊急性を要する場合には薬物療法が検討されます。BPSDに対する薬物療法は、症状を押さえ込むことが目的ではなく、本人の苦痛を軽減し、BPSDのために生じている生活のしづらさを改善することが目的となります。そのためには、安全への配慮が最も重要です。BPSDの治療薬の多くは適用外使用であり、とくに慎重な治療が求められます。薬物療法の適否の判断、より安全な薬剤の選択、効果と副作用の慎重な評価、薬物療法の終了にむけてのアプローチといった一連の作業が必要になります。
薬物療法については総論と各論に分け、各論では各薬剤の効果や副作用、使用上の留意点などについて述べています。BPSDに対するガイドラインを紹介していますが、本書は基本的には安全性ガイドラインのスタンスをとります。ただしガイドラインで扱われていない薬剤も紹介しています。また実際の処方の仕方などにもふれ、実用的な内容になるよう配慮しました。
認知症のひとにやさしい地域づくりの新オレンジプラン推進においてもBPSDの対応は重要であり、安全性に配慮した適切な薬物療法が求められます。本書が認知症の本人ならびに家族の支援や生活の質の向上の一助となれば幸いです。
目次
第1章 認知症におけるBPSD
1. BPSDとは
2. BPSDの要因
3. BPSDの症状
4. 疾患別のBPSDの特徴
5. 評価スケール
第2章 BPSDと鑑別が必要な状態
1. うつ病との鑑別
2. 高齢者てんかん
3. せん妄
第3章 治療ガイドライン
1. 国内のガイドライン
2. 海外の代表的なガイドライン
第4章 BPSDの対応─非薬物的対応
1. BPSDの誘因の探索と対応
2. 非薬物的支援
3. 患者に対するケア
4. 介護者に対するケア
5. 情報提供、環境調整、介護保険システムを通した対応
6. 各症状の非薬物的対応
第5章 BPSDの薬物療法 総論
1. BPSDの薬物療法の一般的注意点
2. BPSD治療薬の有害事象のリスク
第6章 BPSDに対する薬物療法 各論(その1)─抗認知症薬
1. BPSDと抗認知症薬
2. 抗認知症薬各論
第7章 BPSDに対する薬物療法 各論(その2)─漢方薬、抗不安薬、抗てんかん薬
1. 漢方薬
2. 抗不安薬
3. 抗てんかん薬
第8章 BPSDに対する薬物療法 各論(その3)─抗精神病薬
1. BPSDと抗精神病薬
2. DLBの抗精神病薬に対する過敏性
3. 幻覚、妄想、興奮、攻撃性に対する抗精神病薬の使用
4. 抗精神病薬の使用実態
5. 抗精神病薬の減量・中止について
6. 認知症に対する薬物療法使用の治療ガイドライン(米国精神医学会)から
7. 実際の減量の方法
第9章 睡眠障害に対する薬物療法
1. 認知症の睡眠障害と薬物療法
2. 睡眠薬各論
3. 睡眠薬以外の認知症の不眠の治療薬
4. レム睡眠行動障害の薬物療法
5. 睡眠薬と転倒リスク
第10章 うつに対する薬物療法
1. 抗認知症薬
2. 抗うつ薬
3. 漢方薬
4. アパシーに対する薬物療法
第11章 BPSD難治例に対する特殊身体療法
1. 修正型電気痙攣療法
2. 経頭蓋磁気刺激療法
第12章 認知症患者の薬物療法に関連する諸問題─服薬アドヒアランス、多職種連携、ポリファーマシー
1. 服薬アドヒアランス
2. 多職種連携
3. ポリファーマシー
4. 向精神薬の併用に関する改訂
読者対象
神経内科医、精神神経科医、内科医、薬剤師、看護師
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